祖母が勤めていた会社の保養所があった関係で、子どものころは年に1、2回、熱海に行っていた。
熱海に行くと必ずやっていたのは、スマートボール。ピンボールのようなゲームで、それだけが並んでいる遊技場があった。獲得した点に応じて、ぬいぐるみだとかの景品がもらえた。そういえば射的もあったな。
釣りもよくやった。今は人工の砂浜になってしまったが、その前は普通に桟橋がある港だったから、そこから釣り糸を垂らしてカワハギなどを釣っていた。
釣っていた、とは言うものの、釣り餌は自分でちぎって付けられなかった(ムカデのようなゴカイという生き物だ)。そして、釣れた魚は自分では怖くて触れなかった。何を間違ったかフグが釣れたときは、釣れた瞬間からぷっくぷくに膨れて怒っていたから、誰も触らなかった。
そんなことを思い出したのは、釣り堀を見たからだ。
これまでは電車の車窓から眺めることがもっぱらだった釣り堀が、今は職場の近くにある。釣りをやりたいと思ったらいつでもできる、そんな恵まれた環境に引っ越してきたわけだ。
頭をひねっても企画が出てこないときに、ちょっとここで釣り糸を垂らしてみたら、それまで思いつかなかった企画が、天の釣り糸から「これはあなたの企画ですか」と垂れてくるかもしれない。
それは蜘蛛の糸って話か。
いや、それも違うか。
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